本日の日本経済新聞金融面で、三菱東京UFJ銀行が中小向け融資開拓の拡大に向けて全国で地銀と提携へという記事がありました。この件と先日私のお客様であった融資事例をあわせて書いていきたいと思います。
先日、信用金庫時代から付き合いのあるお客様からアドバイスを求められました。
三菱東京UFJ銀行の担当者が営業に来てお金を借りませんかという打診を受けたとのことです。
そのロットも大きく、また金利もいわゆるビジネスローンよりも優遇されたものでした。
このことに私が驚いた点が二つありました。
一つはこの銀行が営業に来たということです。
私が信用金庫に就職してから約15年になりますが、信金時代、保険会社時代、現在を通じてお客様のところで三菱の名刺を見たことがなかったからです。私の担当が中小零細企業だったことによりますが、初めてしかも融資営業の訪問ということで驚いていしまいました。今回の件はUFJ側の仕掛けと推測できますがそれでも少々驚きました。
もう一つはこの融資の条件です。
このお客様、私が担当していた頃はかなり資金繰りが厳しく数百万の資金調達にも四苦八苦し、保証協会に直談判してかろうじて凌いだこともありました。(信用保証協会付の融資の思い出①をご覧ください)
また三井住友銀行のデリバティブを無理やり契約させられたこともありました。
しかしそうした困難を社員一丸となって乗り越えて現在では安定した収益を上げられるようになりました。
ですがビジネスローンの枠外の条件提示を受けるほどではないと思ったので驚きました。
おそらく3月の融資残高増強に向けての戦略的な部分もあったと思います。(感謝月間と融資申込みのタイミングをご覧ください)
果たして借りた方がいいのかという相談だったのですが、千載一遇のチャンスなので気が変わらないうちにすぐ申し込んで金利の高い信用金庫のプロパー融資等見直すようにアドバイスしました。ただ既存の信用金庫と銀行ともめることなく良好な関係は引き続きともつけ加えました。
そんなことが先月から今月にかけてあったのですが、本日の日経朝刊金融面を見たら中小向け融資開拓の記事が掲載されていたのです。
ただこれについて感じたことがあります。
何だか後出しジャンケンみたいだし、中小零細企業が本当に困っていたときに行なってほしかったということです。
不良債権処理にめどがつき、過去最高の収益が出ている一方で量的緩和解除による金利上昇局面に伴う施策でしょうが、晴れたときでなく雨が降っているときに傘を貸してほしいものです。
ここまでお読みいただきありがとうございます。