提携税理士や金融機関担当者から財務改善のとあるノウハウや他行での資金調達の案件をいただくことが多いのですが、あることで残念ながら頓挫してしまうケースがあります。その理由と改善策を書いていきます。
ある法人について弊社が提携している税理士から、役員貸付金や仮払金を消して将来の退職金の財源の確保や金融機関の格付けの改善が可能になる役員貸付金清算プランの案件の依頼や、金融機関担当者から自行での融資実行は不可能なので他行での資金調達先の紹介を依頼されることがあります。
しかしながらある証明書類をとることができないために案件が頓挫してしまうことがあります。
納税証明書その3の3を取ることができないので頓挫してしまうのです。
これは法人税と消費税に未納の税額がないことを証明する書類なのですが、未納部分があると発行できません。役員貸付金清算プランでも金融機関の新規融資取引においてもこの証明書が必要なので発行できないとアウトということです。
貸付金清算プランや新規融資取引だけならまだしも既存の金融機関の融資取引のも大きく影響を及ぼします。本来の納税期限を1ヶ月以上経過すると税務署には会社の資産関係を差し押さえる権利があるのです。税金はすべての債権に優先します。
しかしながらなかなか税金の滞納を消せないのが実情なのですが、ちょっとひと工夫することで解消することができるケースがあります。
資金繰りを1ヶ月でみて資金がプールされている期間を利用して解消する方法です。
どんな会社でも給料日や支払日は統一されていると思います。その日までの一定期間資金がプールされている時を利用して解消するのです。
①まずプールされている時に税金の滞納分を支払って納税証明書を発行する。
②証明書を添付して融資の実行を受けて支払いに充てる。
ここで気をつけなければいけないのが②の融資実行が①を満たすことで確約されていることです。でないと大変なことになりますので根回しが大切です。
このステップが果たせれば公的資金の新たな調達の可能性も広がりますし、役員貸付金が発生している先ならば清算プランの実行の可能性も広がります。
ただここまで書いていうのもなんですが、そもそも税金を未納にしてしまうルーズな会社ですので①自体なかなかうまくいかないのが現実です。資金繰りのひと工夫で何とかなる滞納金額なのですが着手しようとしないのです。
しかしそんなルーズな先でもいい商品・技術を持っている先なのでそこさえきちんとすればビジネスの視野が広がります。
また未納状態にある会社を顧問・担当している税理士・金融機関担当者の皆様もルーズな会社だからとあきらめずに改善に取り組んでいただければと思います。私も空回りしつつもルーズだからといって苛立ちながらも提案を続けていこうと思っております。
次回は今回述べた役員貸付金清算プランの具体的な内容を書いていきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。