赤字法人必見のリスクマネジメント


 本日、某保険会社で代理店向けセミナーを行いました。遠くは台風で大変な鹿児島の方など参加された47名の方々にこの場を借りて改めて御礼を申し上げます。
そのセミナーでもふれた赤字法人にありがちな保険加入の傾向と見直し方法を紹介したいと思います。

信用金庫時代お約束のように急な融資の申し込みをしてくるお客様がいました。

たとえば今日は6日ですが、「9日の手形決済が足りないので融資してください。」といった申し出です。

通常、この手の資金不足は最悪1ヶ月前には把握できているものですが、言いづらいのか本当に把握していなかったのか直前になって申し込んできます。

結局いつものパターンで上司に相談の結果、保全が図れているならばと融資を受けていました。

そんな資金繰りの悪いお客様なので金利も高めの設定です。

しかしながら保険業界に転職後もまあ話がしやすい先なので(笑)訪問して保険の加入内容を見せてもらいます。そうすると共通した傾向がありました。それは・・・

資金繰りの悪いお客様に限って貯蓄性の高い保険を一生懸命掛けているのです。

しかも契約者貸付など貯蓄部分の活用もしていません。なぜかお付き合いで保険に加入しているのに毎月の返済も厳しいのに一生懸命保険を掛けています。

先日のブログ(実効金利に気をつけろ)で歩積両建預金の無駄とリスクについてふれましたが、まだ歩積両建預金の場合金融機関の保全対象になります。しかし保険の場合は保全外の状態です。

また決算書上貯蓄性の高い保険の保険料は固定資産の項目の保険料積立金として計上されており、優良先ならともかく、赤字の会社でこの部分が過大な場合、当然金融機関の融資担当者はいやな顔をします。

「赤字のくせに保険ばっかり掛けやがって。」と思っています。

資金繰りも悪化していて貯蓄性の保険なので保険料もそこそこになります。そんな無駄は省いて

①そうはいっても中小零細企業の社長ほど保障は必要なので保障の高い掛け捨ての保険に加入する。

②既加入の貯蓄性の高い保険を解約する。

③解約返戻金で金利・割賦の高いプロパー融資を返済する。

このブログをお読みの対象になる社長様・そんな会社を顧問・担当されている方々、上記の順序で見直しを図って(提案して)みてはいかがでしょうか?

毎月の割賦が大幅に減りますし、金融機関の格付けにも寄与すると思います。

くれぐれもお気をつけいただきたいのが①と②の順序を逆にしないでほしいということです。先に解約して新たに加入しようと医師の診査を受けたら入れなかったとなると悲しいので・・・

次回も社長の後継者や従業員が悲しい思いをしないための簡単なリスクマネジメントを紹介したいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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