零細企業を応援しています。
前職の信用金庫勤務時代は何百もの中小零細企業のお客様を担当させていただきました。
企業内容はイマイチでもへぇーっと感心するような独自のノウハウ・商品を扱っている会社、ひょっとしたら大化けするのでは?という会社も結構な件数があったと思います。
しかし残念ながら、多くの会社がイマイチのままであったり、化けることなく会社がなくなってそれこそお化けになってしまったところが多くを占めていました。
結局、担保主義の間接金融ではお手伝いできなかったというのが実情でした。
もしタイトルの少人数私募債のノウハウを企業が知っていて実践もしくはこちら側が提案、実践のサポートをしていればいくつかの会社は存続・ブレイクしたかもしれません。
もっとも少人数私募債ができるようになった平成5年の商法改正当時はだれもそんなスキームは知る由もありませんでしたし、信用金庫の一職員が紹介できる知識・余裕はとてもありませんでした。
ですが現在では認識も広まり、資金繰りにあえぐ中小零細企業の社長様はもちろん、金融機関の皆様にも情報提供の一環としても利用価値は大きくなりました。少人数私募債の発行条件は前回のブログ(少人数私募債の概要)とあわせてご案内しようと思った次第です。
少人数私募債の発行条件としては・・・
①株式会社であるということです。
したがって有限会社などでは発行できないということになり、有限会社の社長様はがっかりしてしまうかもしれませんが、擬似私募債というスキームがあり、少人数私募債に準じた形での発行は可能ですので検討されるといいと思います。
前々回のブログ(少人数私募債の源流)で紹介したスピカ債はまさしく擬似私募債の手本です。
擬似私募債参考サイト→擬似私募債に関するQ&A
②購入者にはプロ(銀行や証券会社、ベンチャーキャピタルなど)が含まれないこと。
あくまで親戚・縁者、社員、取引先・得意先、友人に限定するということです。縁故者に対する募集なので社長自身に信頼感が乏しいと資金調達は厳しくなります。
③社債権者を50名未満としなければなりません。
50名以上だと証券取引法に基づき上場企業のように企業内容を開示する義務が生じます。
④発行総額を1億円未満にする。
社債の募集総額が1億円未満の場合には、財務局への届出や告知義務が免除されます。
⑤1口のあたりの発行価額を最低発行価額の整数倍にする。
最低価額が100万円なら200万円、300万円はOKですが、250万円とか350万円という発行はできません。最低価額を100万円としたならば4900万円まで募集とすれば50名未満となり③の用件を必ず満たすことができます。
私募債というとなんだか上場企業が募集するようなイメージですが、上記の要件を満たした少人数私募債であれば金融機関に頼らない資金調達が実現できるかもしれません。
発行の手続きについては次回のブログで紹介したいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。