先週の金曜日に福岡銀行が九州親和ホールディングスを実質傘下に収めるという記事が各新聞に掲載されました。また日本経済新聞夕刊3面に平日掲載されている「なるほどビジネスMap」の12日の記事によると信用組合の数の減少が書かれていました。
地域金融機関の急速な再編に私が危惧していることを書いていきます。
先週の金曜日、弊社がお世話になっているあいおい生命保険株式会社開業10周年の記念式典に参加してきました。
日本損害保険協会の児玉正之会長(あいおい損害保険社長)も出席されていたので記念写真をお願いしました。損保業界が不払い問題で大変なときに会長に就任したので大変そうでしたが、損保業界の適切な運営のため頑張ってください。
いろんな保険会社でこのような式典が年に1~2回ありますが、全国から精鋭代理店が集まりいろんな情報、ビジネスの機会が得られるのでモチベーションUPにもつながります。
福岡銀行が九州親和ホールディングスを事実上傘下に収めるということで、県境をまたいだ地銀の再編が一段と加速すると日本経済新聞が論じています。また、九州は福岡への一極集中がすすんでいるという背景があり、次は東北(仙台の一人勝ち)が地銀の再編対象とも言われています。
また、この記事が掲載される前日には日本経済新聞夕刊の3面の「なるほどビジネスMap」にて信用組合の数の減少が伝えられています。
1995年は約370もの信用組合があったのが、現在170と半分以下になってしまったそうです。
さらに信用組合が1つもない空白県が奈良県や愛媛県など5つあるそうです。
信用組合はもともと、同じ地域や職業の人々が互いに助け合うため設立した金融機関で、銀行が相手にしないような零細企業のもお金を融通し、地域経済を下支えしてきました。
そんな信用組合がこの10年で半減してしまったのです。
ちなみに私がかつて働いていた信用金庫も私が社会人になった92年当時は約450ほどあったのですが、現在は300あるかないかに減少しました。
地銀、信金、信組ともに生き残りのための合併が加速しているということです。
ですがこの再編、末端の零細企業にはいろんな影響を与えることになります。
私も10年前に経験した話ですが、私が勤務するA信金がB信金を吸収合併しました。
私が担当していた地域のお客様が元B信金の支店の方が近いとすると、その支店にお客様の取引を移すことになります(移管といいます)
移管した支店は吸収された方なので、支店長の権限が少ないのです。
つまり融資取引に影響を及ぼすことがあるのです。
私がいた支店の支店長権限が10だとして移管した支店が2になってしまうということです。
今までは支店長の決裁で融資が実行されていた先がいわゆる本部稟議になってしまうので、決裁の日数はもちろん、融資案件が否決になってしまうこともあるということです。
このあたりのことは以前のブログにも書いたのでお読みください
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金融機関の合併でお客様が被る不利益
またこのような不利益も想定されます。
A信金とB信金いずれにも融資取引がある場合で、支店が統廃合されれば取引が名寄せされます。
合併される前はA信金ではまだ融資が受けられる状態、B信金はすでに信用がオーバーしていて返済がすすむまでは融資が受けられない状態だったとします。
でもこのままならばA信金からは資金調達できる状態です。
しかし統廃合により融資の枠がオーバー分で吸収されてしまうということです。
吸収される側の問題点として、担保評価等が甘いケースも散見されました。
通常、不動産担保を取るときは支店の近隣(目安として半径50キロくらいでしょうか)までですが、私がいたときのその支店は新潟のリゾートマンションを担保に入れていた事例がありました。
時価にしてどう見ても1000万円未満の物件なのに3000万円担保価値十分ありますと稟議に書かれていたのにびっくりしたこともありました(笑)
もっとも現在はそんな杜撰な評価はないでしょう。
そんな姿勢だから破綻したり吸収されてしまうといってしまえばそれまでですが、急激な再編はいままで吸収される側の地銀、信金、信組をメインにしていた零細企業に多大な影響を及ぼすことは必至です。
もちろん決算内容で融資が判断される現在ですが、再編に比例して中小零細企業の倒産が増えるという事態だけは避けてほしいものです。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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