さすがに無理な融資相談②


先日、弊社で大変お世話になっている方からの依頼である会社の融資相談を受けたのですが、全くかみ合わずお断り申し上げた事例がありました。さすがに無理というよりは全く無駄な融資相談となってしまったのですが、その経緯について書いていきたいと思います。

前職の信用金庫時代で財務内容云々以前にやりたくない融資案件というのがいくつかありました。

決算書を出さない先、嘘や大口をたたく社長、資金使途など何も教えてくれずそっちで作っといてなどという先、面倒くさいなど様々です。

決算書を出さない、貸借対照表と損益計算書だけしか提出せず、勘定科目内訳等出さない先の場合は結局保証協会などはできないわけですが、それでもその先が有力な会社であるときは金融機関独自の融資であるプロパー融資で与信を出して対応していたところもありました。

また面倒くさがりで融資の申込書類に会社のゴム印と申込金額を押印してそれ以外の記入事項はすべてこちらで埋めるというのが、10年ほど前私が融資営業していた頃は日常でした。

それでも対応していたのはそれが超優良先で戦略的にも融資した方がいいケースや、既存の取引先でこちらが内容を把握しており、保全も完全に図れるので大丈夫であろうという判断に基づいてのものでした。

そのような場合はいいのですが、先日行った先の融資相談は全くの問題外でお断りしました。

依頼があった会社は急成長しているようで、資本金や年商からして依頼のあった金額(3000万円程度)ではどう見てもまかなえるし、そんな金額ではとても足りないと思いました。その確認を紹介者にお願いしたのですが、返事をもらえなかったようで訪問の当日を迎えることになりました。

そのときの会話はこんな感じでした。

私「3000万円程度の資金調達先を探しているということですが、御社の規模にしては少ないですね」

依頼会社役員(以下役員)「今回○○部門の関連会社で金がいるんだよ」

私「・・・(予め教えてくれれば) その会社はどれくらいの業歴なんですか?」

役員「4年くらいかな」

私「事前にお願いしていた決算書2期分はありますか?」

役員「おたくが貸してくれる金融機関を紹介してくれるなら出すよ」

私「それでは取引している金融機関はどこですか?」

役員「7~8行あるよ。このまえなんか○○で1時間くらいの面談を2回しただけで3000万円も貸してもらったんだよ。貸してっていったら書類はこっちで書いておきますなんて言ってさ」

私「・・・・それはすごいですね」

役員「まあ借りようと思えば自分でできるんだけど面倒くさくてね。貸してって言っただけで出してくれるところ知ってるんでしょ?」

そんなかみ合わない会話が続きました。結局、

私「申し訳ないですが、そのような姿勢の会社に私がお手伝いすることありません。それに先ほど自分でできるとおっしゃっていたので自分でやった方がいいと思います」

と申し上げ、その後もその役員からは政財界の人脈の話や船の話(船を買う人いませんかという内容)など大きな話が続きましたが、すっかり私は白けムードとなりました。

さすがに初対面でそのような対応をされてしまったので、入口からお断りさせてもらった次第です。
このような先の融資案件がうまく行くわけありません。

紹介者の方には申し訳ない限りでしたが、逆に紹介者の方からもあんなに失礼だとは思わなかったです、すいませんと逆に謝られました。

果たしてその会社がそれだけの力があるのか、強がっていたのかは分からないですしどうでもいい話ですが、謙虚という言葉と姿勢をもってほしいものです。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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