梅雨明けしたとたんの猛暑。クーラー全開です。
しばらく出せなかった洗濯物も外に出せてカラッと乾きますね。
今回は「カムバック助成金」。復職をするための制度を整え実際に再雇用した場合に助成されるものです。
両立支援等助成金*再雇用者評価処遇コース
【両立支援等助成金とは】
両立支援等助成金とは、社員が仕事と家庭を両立しながら働くことができる環境を整える事業主を支援するための助成制度です。具体的には、①出生時両立支援コース、②介護離職防止支援コース③育児休業等支援コース、④再雇用者評価処遇コース、の4種類のコースがあります。
【再雇用者評価処遇コースとは】
妊娠や出産、育児、介護を理由に会社を辞めた社員がふたたび働くことができるようになった際に復職をするための制度を整えて、実際に再雇用をした場合に助成を受けることができる制度です。
前まで働いていた社員が戻ってくるということから「カムバック支援助成金」とも呼ばれています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000527592.pdf
(厚生労働省)
【支給対象となる要件】
再雇用者評価処遇コースを利用するためには、次の2種類の要件を満たすことが求められます。
1.再雇用制度の導入
妊娠・出産・育児・介護を理由に退職した労働者がふたたび就業可能になった際に復職が可能となり、適切な評価・配置・処遇を受けることができる制度を導入すること
2.労働者の再雇用
再雇用を希望する労働者を採用すること
ここからは、内容ごとに要件や助成金額について紹介をしていきましょう。
1.再雇用制度の導入
再雇用制度の導入には、次の①~③の処置が必要となります。
①次の内容に該当する再雇用制度を就業規則などで定めていること
ア.再雇用対象となる社員の退職理由に、妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤が明記されていること。
イ.退職者が、再雇用を希望する旨の申出を登録し、事業主が記録すること。
ウ.制度の対象社員の年齢が、定年を下回っていないこと。
エ.退職後から再雇用までの期間を定める制度の場合、その期間は3年以上であること。
オ.再雇用の際には退職前の勤務実績等を評価し、処遇決定に反映させることを明記していること。
カ.退職から再雇用までの間に、社員に就業経験、能力開発の実績がある場合は、その実績を評価のうえ処遇の決定に反映させることを明記していること。
キ.再雇用者の中長期的な配置、昇進、昇給等の処遇は、退職前の勤務実績や退職から再雇用までの就業経験、能力開発の実績を踏まえた取り扱いを検討するものになっていること。
②再雇用制度の導入後に対象者を採用し、無期雇用契約により半年以上の継続雇用をし、支給申請日も雇用し続けていること。
③次の全ての制度を労働協約または就業規則に規定していること。
ア.育児休業
イ.育児のための所定労働時間の短縮措置
ウ.介護休業
エ.介護のための所定労働時間の短縮等の措置
2.労働者の再雇用
再雇用制度の対象となる労働者は、次の①~③に該当する者のことです。
①妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤のいずれかを理由として退職し、再雇用制度により採用された者。
②退職時または退職後に、退職理由と再雇用の希望を申し出ていたことが書面で確認できる者。
③退職日の前日に、雇用保険被保険者として継続雇用されていた期間が1年以上ある労働者。
④再雇用としての採用日が、退職日の翌日から1年以上期間があいている者。
⑤支給申請書より、再雇用制度に基づく評価や処遇がされていることが確認できる者。
⑥再雇用としての採用日から1年以内に無期雇用契約を締結し、雇用保険被保険者として半年(1年)以上継続して雇用されている者。
・6か月以上の継続雇用:1回目の支給
・1年以上の継続雇用:2回目の支給
【支給額】
支給額は、以下の通りになります。一社につき最大5人分まで受給できることが特徴です。それぞれ、再雇用者の継続雇用6ヶ月後と1年後に、半額ずつ支給されます。
再雇用人数 | 支給額 | |
中小企業 | 中小企業以外 | |
1人目 | 38万円<48万円> | 28.5万円<36万円> |
2~5人目 | 28.5万円<36万円> | 19万円<24万円> |
なお、<>内の金額は、生産性要件を満たした場合の支給額です。個々の社員のレベルを高めることにより会社の生産性をアップさせたと国によって認められる、つまり「生産性要件」を満たしたと判断される場合は、通常の場合より多額の助成金を受け取ることができます。