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配偶者控除150万円まで
政府与党は2017年度税制改正大綱を決定しました。
大綱の目玉は、配偶者控除の見直しです。
配偶者控除の年収要件を103万円から150万円に拡大します。
女性の社会進出を促す「働き方改革」の一環とのことですが、
本当に効果があるのでしょうか?
今回の改正は「パート主婦減税」で、中小企業で働くパートの方が
ほんの少しだけ働く時間を長くするだけだと思います。
「103万円の壁」が「150万円の壁」になったとしても、
社会保険料の徴収が始まる「130万円の壁」が残っています。
さらに今年の10月から、大企業ではこの壁が「106万円の壁」に
なっています。
そしてこの「106万円の壁」は徐々に中小企業にも適用されます。
女性の社会進出
一番の問題は、本当は正社員として活躍したいのに、子育てなど
家庭の事情で働けない女性がたくさんいることです。
そもそも、このような女性にとっては、年収の壁など関係ありません。
正社員として職場に復帰できたり、新しい会社に就職できれば
しっかり稼いで、税金も社会保険料もきっちり払うからです。
この問題を税制で解決するのは難しいかもしれませんが、
配偶者控除の年収要件の拡大が何の役にも立たないことは明らかです。
選挙を意識した、小手先の税制改正はやめて一切の壁を取っ払い、
税と社会保険を一体化した、抜本的な改革が必要なのではないでしょうか?