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金融庁自身の改革
金融庁は21日、今後1年間の重点施策を示す「金融行政方針」を発表しました。
森信親長官の指揮のもと、「顧客本位」を掲げて改革を推進するそうです。
1998年に発足した金融監督庁(金融庁の前身)は、バブル経済崩壊により大量に発生した不良債権の処理を使命とし、金融機関への検査・監督は「これ以上不良債権をつくらせない」ことを最優先し、厳格な審査や行政処分を連発し「金融処分庁」と呼ばれていました。
現在の金融機関の担保依存体質は、金融庁自身にも問題があったことを金融庁も認識しており、今回の方針で、金融機関に対する検査・監督を見直す考えを柱に据えました。
国民の資産形成
もう一つの柱は顧客ニーズに応えることで、貯蓄から投資への流れを後押しすることです。
本業で利益を出しづらくなった金融機関は、投資信託や保険を販売しその手数料で利益を得ようとしています。
各支店では本部から課されたノルマがあるため、お客様のニーズより販売手数料を重視して商品を販売する傾向にあります。
金融庁はこれを阻止するために、お客様に手数料を開示するよう求めており、実施する金融機関も出てきています。
また、金融機関のノルマ達成至上主義も「顧客本位」の営業を阻害する元凶として問題視しています。
アメリカの最大手銀行であるウェルズ・ファーゴは、ノルマ達成のための強引営業で不祥事を起こして問題になっています。
石川県の北國銀行はノルマを撤廃したことで注目されていますが、業績は上がっているようです
金融庁命令で日本全国の金融機関のノルマを撤廃してほしいものです。
金融機関ビジネスモデルの転換
金融機関には土地などの担保や保証に頼ってきた融資姿勢の見直しを迫るそうです。
将来性のある事業の起業や、創業から間もなかったりする企業が融資の対象から除かれている現状を「日本型金融排除」と批判しています。
「金融排除」の反対は「金融包摂」で、これまで銀行の融資から排除されていた層にも金融サービスが受けられるようにしようというものです。
金融庁はこの「金融包摂」を推進するよう促しています。つまり「創業間もない企業でも、将来性があるのであれば融資しなさい」と言っています。
この方針が徹底され、金融機関が本来担うべき役割を果たしてくれることを期待します。
金融庁の改革を応援します。