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配偶者控除廃止先送り
安倍政権は最重要課題である働き方改革で「女性の活躍を推進しよう」と声高にアピールしてきました。
その中で、女性の労働時間を自主的に抑制させてしまう「配偶者控除」を廃止し、共働きでも夫婦であれば控除が受けられる「夫婦控除」の創設を検討していました。
ところが、この案は早くも先送りが固まってしまいました。廃止どころか、年収150万円まで優遇する案も飛び出しています。
理由は、来年夏の東京都議選に加え、来年1月の衆院解散説が浮上する中で「配偶者控除を廃止すると、負担が増える専業主婦世帯が反発し選挙に影響を与えるから」とのことです。
選挙で選ばれた政権が推進しようとしている政策を、次の選挙に影響が出るからとの理由で先送りしてしまうのはどういうことでしょうか?
社会保険の壁とのアンバランス
9月までは、年収130万円を超えると社会保険の加入が義務付けられ、手取りが減ってしまうことから、それ以内に収めようと収入を調整する「130万円の壁」がありました。
10月からは、大規模企業に限ってではありますが、年収の基準は106万円に引き下げられました。これは徐々に中小零細企業にも拡大されていくと思います。
仮に配偶者控除の対象が年収150万円までと拡大したとしても、社会保険の壁が「106万円の壁」になれば、年収106万円に抑えるひとが増えるのではないでしょうか?
「同一労働同一賃金」との整合性
働き方改革の目玉である「同一労働同一賃金」が実現すれば、正社員と同じように働くパートタイマーの時給アップは避けられません。
最低賃金も国主導で引き上げられました。
非正規社員の賃金上昇を推進するための助成金も拡充されています。
女性の活躍と賃金上昇を掲げる一方で、女性の就労時間を阻害する壁を守り続けるのでは整合性が取れません。
「女性活躍」本当に大丈夫ですか?