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助成金の現状
これから数回にわたり、助成金について書いていこうと思います。
助成金には厚生労働省の雇用に関する助成金と経済産業省の助成金・補助金がありますが、このシリーズでは厚生労働省の助成金について書いていきます。
厚生労働省の雇用に関する助成金は、要件に当てはまれば100%もらえるお金です。
助成金の現状は
・90%以上が社会保険労務士が手続き
・残りの10%は大企業の専門担当者が手続き
本来、助成金は中小企業を支援する制度です。ただ中小企業の社長は本業で手一杯で「助成金の手続きはめんどくさそう」という思いから躊躇してしまうことが多いようです。
これは大きな機会損失だと思います。確かに手続きは手間がかかりますが、社員を雇用し優秀な人材に育てる計画があるのであれば、是非とも申請していただきたいと思います。
助成金の申請には、専門家である社会保険労務士に依頼することをお勧めします。
平成28年度 助成金の傾向
安倍内閣は「ニッポン一億総活躍プラン」を策定しています。
その中で「介護離職ゼロ」、「希望出生率1.8」、「同一労働同一賃金」などの目標を掲げています。その取組み強化として助成金には以下のような傾向があります。
・育児・・・男性の育児休暇取得に助成金、企業内保育園の開園に関する助成金
・若者就業・・・定着率の促進、離職の防止
・女性・・・管理職の登用等、具体的な目標設置
・介護・・・介護離職を防止する取り組みの本格化
・正社員化・・・拡充
・教育訓練・・・正社員、契約社員、自主的な教育訓練等に関する助成
・高齢者・・・高齢者の健康管理制度に関する助成金、高齢者の起業に関する助成
助成金の申請に伴う注意点
次のような場合には助成金は受給できません。
・雇用保険の適用事業でない場合
・法人の事業所で社会保険(健康保険・厚生年金)に加入していない場合
・助成金支給のための審査に協力しない場合
法定帳簿(出勤簿、賃金台帳、労働者名簿、雇用契約書等)を作成・保管していない、法定帳簿の提出指示に応じない、労働局等審査機関による実地調査を受け入れないなど
・不正受給(偽りその他不正の行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受けた又は受けようとすること)をしてから3年以内に支給申請をした場合、あるいは支給申請から支給決定までの間に不正受給をした場合
・支給申請日の属する年度の前年度より前のいづれかの保険年度の労働保険料を滞納している場合
・最低賃金を下回る給与の支給額、時間外労働等の割増賃金の未払い等の労働関係法令違反をしている場合
現在助成金の不正受給であったり無理をした申請などが蔓延しつつあります。
一度、信頼できる社会保険労務士に相談することをお勧めします。
次回からは、現在募集中の助成金について具体的に書いていきます。