実効金利に気をつけろ


 金融機関から借りている金利が高いのかどうかを調べる目安になる指標があります。
実効金利と呼ばれるこの指標を基に皆様が利用している融資金利が割高なのか割安なのか交渉の余地があるのかなどを書いていきます。

先日、お客様から金融機関取引に関して相談を受けました。

「なんか手形割引やプロパー融資の金利が高いと思うし余剰資金で返済したほうがいいと思うんだけどどう?」という相談でした。

さっそく取引金融機関の預金取引・融資取引の明細を見せてもらいました。

そのお客様はとても堅実で毎期安定的に利益を計上しており、手形割引の銘柄も良好先で非常にいい取引振りですが、私から見て明らかにおかしい取引状態でした。

実効金利が異常に高かったのです。

実効金利とは借り入れた資金に対する実質的な金利のことで、固定された預金と借入金の利息を勘案したものです。

例えば

・1000万円を利率4%で借り入れている株式会社A

・定期預金500万円(利率0.1%)を担保預金として預け入れていて1000万円を利率2.5%で借り入れている株式会社B

ではどちらの方が金利が高いでしょう?

表面的には株式会社Aの方が金利は高いですが、実は株式会社Bの方が調達コストは高いのです。

実効金利で計算すると株式会社Bの調達コストは

(1000万円×2.5%-500万円×0.1%)÷(1000万円-500万円)≒4.9%となり

実質的に500万円の資金を借りて(1000万円×2.5%-500万円×0.1%)=24万5千円の利息を払っているという計算になるのです。

今回相談を受けたお客様の場合は実効金利が数十%になっていました。

いわゆる歩積両建といわれる預金の残高と融資の残高が平行して増えていく状態になっていたので、金利の高い預金とプロパー融資を相殺し、解約返戻金のたまっていた保険を解約し手形割引を1ヶ月行わないことを提案して取引および財務内容の改善を図りました。

巷にはこの実効金利が数十%という金融機関のカモになっている先がまだまだうようよしているものと思われます。一度チェックしてみるといいかもしれません。

もちろん金融機関が貸出金利を決めるときは決算状況など他にもいくつか用いる指標がありますが、借りる側としてはこの実効金利に着目して折衝すると調達コストが安くなるかもしれません。

金融機関側もお客様から「ちょっとお宅実効金利取りすぎじゃありませんか?」なんていわれたらあわてて改善してくれるかもしれません。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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