今回は、『通年雇用助成金』のご紹介です。
昨日は、東京でも4年ぶりの大雪となりましたね。
この『通年雇用助成金』は雪のたくさん降る地域に特化した助成金です。
【通年雇用助成金とは】
北海道、東北地方等の積雪または寒冷の度が高い地域の事業主が、冬期間に
離職を余儀なくされる季節労働者を通年雇用した場合に助成されます。
通年雇用助成金では、季節労働者を1年を通して雇用する「通年雇用」の
促進に取組む事業主の方が受給可能な助成金です。
通年雇用促進を図り、地域によって生じる雇用格差をなくすことが目的とされています。
【対象となる措置】
通年雇用助成金を利用する場合、以下7つの措置のうちいずれかを実施する必要があります。
1.事業所内就業
季節労働者を同じ事業所で冬の期間も継続して雇用した場合
2.事業所外就業
季節労働者を配置転換や労働者派遣、在籍出向によって他の事業所で雇用し、
冬の期間も継続して雇用した場合
3.一時的な休業
季節労働者を冬の期間も継続して雇用し、期間中一定期間休業させた場合
4.季節的業務以外への業務転換
季節労働者を季節労働ではない業務に転換し継続して雇用した場合
5.対象者向けの職業訓練
冬の期間に継続して雇用している季節労働者に対して職業訓練を実施した場合
6.新分野の事業所設置や整備
季節雇用の従業員を通年雇用するため、新分野の事業所を設置・整備した場合
7.季節労働者のトライアル雇用
対象の季節労働者を試行雇用(トライアル雇用)し、試行雇用期間が終了した後も
引き続き常用雇用した場合
【受給対象となる事業主の要件】
受給対象の措置のうち1~6のいずれかを実施する事業主は、指定地域内で
指定業種に属していることや、季節試行雇用を実施する事業主は指定地域内に
所在し指定業種以外の業種に属することなどが受給対象事業主の要件です。
《厚生労働大臣が指定する地域》
- 北海道・青森・岩手および秋田の全市町村
- 宮城・山形・福島・新潟・富山・石川・福井・長野および岐阜の一部の市町
《厚生労働大臣が指定する業種》
- 林業
- 採石業および砂、砂利または玉石の採取業
- 建設業
- 水産食料品製造業
- 野菜缶詰、果物缶詰または農産保存食料品の製造業
- 一般製材業
- セメント製品製造業
- 建設用粘土製品(陶磁器製のものを除く)の製造業
- 特定貨物自動車運送業
- 建設現場において据付作業を行う「造作材製造業」「健具製造業」「鉄骨製造業」「建設用金属製品製造業」「金属製サッシ・ドア製造業」「鉄骨系プレハブ住宅製造業」「畳製造業」
- 農業(畜産農業および畜産サービス業を除く)
※注意※ 次のいずれかに該当する事業主は対象となりません
- 各種法令に違反している場合
- 本助成金の申請事業所において、雇用調整助成金の支給を受けている事業主
【支給額】
通年雇用助成金を利用する場合、実施する措置によって受給額や受給回数が異なります。
《事業所内就業・事業所外就業》
- 助成金受給対象の従業員1人あたり1年間で最大3回受給可能
- 指定地域外で請負契約によって事業を実施し、就業のために対象従業員の住所変更等をおこなった場合の経費を負担した場合、従業員の移動距離に応じて必要な経費に相当する額が受給可能
◆第1回目の支給対象者◆
対象期間に支払った賃金の2/3(上限額:71万円)
◆第2・3回目の支給対象者◆
対象期間に支払った賃金の1/2(上限額:54万円)
◆移動就労経費◆
《休業》
- 助成金受給対象の従業員1人あたり最大2回受給可能
◆休業助成の申請1回目◆
1月~4月に支払った休業手当(最大60日分)および対象期間に支払った賃金の合計額の1/2(上限額:新規契約労働者71万円、継続・再継続労働者54万円)
◆休業助成の申請2回目◆
1月~4月に支払った休業手当(最大60日分)および対象期間に支払った賃金の合計額の1/3(上限額:54万円)
《業務転換》
- 業務転換の開始日から6ヶ月間に支払った賃金の1/3(上限:71万円)
《職業訓練》
◆季節的業務の訓練◆
訓練実施に要した費用の1/2(上限額:3万円)
◆季節的業務以外の訓練
訓練実施に要した費用の2/3(上限額:4万円)
《新分野進出》
- 上記《事業所内就業・事業所外就業》に対する賃金の支給額に加え、事業所の設置・整備に要した費用の1/10(上限額:500万円)が1年ごとに3回まで支給されます
《トライアル雇用》
- 常用雇用に移行した日から起算して6ヶ月の期間に支払った賃金の1/2の額から、「トライアル雇用助成金」の額を減額した額(上限額:71万円)