今回は、特定求職者雇用開発助成金より
『被災者雇用開発コース』のご紹介です。
2011年3月に起こった東日本大震災から6年が経ちました。
その爪痕の影響力は大きく、いまだ解決できていない問題が多くあります。
今回の記事では、東日本大震災による被災者を雇用した企業向けの助成金についてご紹介します。
【特定求職者雇用開発助成金とは】
平成23年5月2日以降、東日本大震災による被災離職者や被災地求職者を、
ハローワーク等の紹介により、1週間の所定労働時間が20時間以上の
労働者として雇い入れる事業主(1年以上継続して雇用することが確実な場合に限る。)に対して助成されます。
また、この助成金の対象者を10人以上雇い入れ、1年以上継続して雇用した
場合には、助成金の上乗せが行われます。
【主な受給条件】
次の要件のいずれも満たすことが必要です。
①ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
②平成23年5月2日以降、雇用保険一般被保険者として雇い入れ、1年以上継続して雇用することが見込まれること
③支給のために必要な書類を整備・保管しており、提出できること
④雇い入れ1年後の離職割合が50%以下であること(平成27年10月1日からの改正点)
※このほかにも、雇用関係助成金共通の要件などいくつかの支給要件がありますので、詳しくは厚生労働省ホームページをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_hisai.html
【雇い入れる労働者の条件】
条件はもちろん、「東日本大震災で被災している」ことですが、その他以下のような条件があります。
- 東日本大震災時に被災地域で就業していた方
- 震災により離職を余儀なくされた方
- 上記の離職後、安定した職業についたことのない方
東日本大震災のあとに定職につくことができ、その後の就職の場合はこの助成金の対象とはなりません。
あくまで、震災後初の定職に対して与えられる助成金です。
【助成対象外の条件】
この助成金はあくまで、震災後に定職につくことができない被災者救済と
雇用保険対象者増加を目的にしています。
また、雇用は出来る限り長期雇用を目指すものとされています。
そのため、以下の支給対象外の条件を設け厳しく審査されています。
- 代表者などの3親等以内の親族の雇入れ
- 雇入れ前の過去3年間に3カ月を超える実習・訓練などの実施をしていた場合
- 該当労働者を雇い入れる半年~1年前に事業主都合で労働者を解雇した事業主
- 対象労働者が支給対象期の途中で離職室場合や所定労働時間より著しく実労働時間が短い場合
- 対象労働者と当該事業主の間でハローワーク等から紹介を受ける前から雇用の内定があった場合
- 対象労働者と当該事業主の間で雇い入れ日の前日から過去3年間で、雇用・請負・委任・出向・派遣等の関係があった場合
- 対象労働者に賃金を支払わない場合
- 契約終結時と著しく条件を下げ、対象労働者が不利益を被った場合
【受給額】
東日本大震災被災者で定職についていない方、また定職につきたい方はまだまだ存在します。
少し条件が厳しいですが、不正受給をせず新規の採用者を長期で雇用すればいいだけです。
復興の一助として、是非この助成金の活用を検討してみてください。