一般的に厚生労働省所管で取り扱っている支援金のことを“助成金”と呼んでいます。
厚生労働省で取り扱っている助成金は、条件さえ満たせばどんな会社でも貰うことができ、返済する必要はありません。
ひとつに“助成金”といっても様々なものがあります。
本日はその中から“雇用調整助成金”をご紹介したいと思います。
【雇用調整助成金とは】
企業が事業活動を縮小せざる得ない状況になり、社員の休業や教育訓練、出向などの雇用調整を行う場合、国が資金や費用の一部を支給してくれる制度です。
一定の条件を満たせば、給付金の交付が受けられます。
雇用調整には様々な方法がありますが、希望退職や解雇など深刻な雇用調整を未然に防ぎ、雇用の継続を支援することが狙いです。
【支給対象】
・雇用保険の適用事業所
・直近3か月の売上高や生産量の平均値が前年の同時期と比較すると10%以上
減少している
・直近3か月の従業員数が前同期と比べて増加していない。
・実施する雇用調整が一定の基準を満たしている
この4項目があります。
事故や災害による設備被害を受け、事業を縮小したものは対象外です。
しかし、2016年4月に発生した熊本地震では特例が実施されました。
当てはまる場合は、要件・支給額共に内容が異なります。
このように特例が実施されることもあります。特例は厚生労働省から発表されますので厚生労働省ホームページををチェックしてみてください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
(厚生労働省HP)
【受給額】
雇用調整助成金の受給額は、事業主が支払った休業手当などの負担金、教育訓練を実施した時の賃金に対して、中小企業は2/3、中小企業以外は1/2を乗じた額になります。
また、教育訓練を実施した時は1日1人あたり1,200円が加算されます。ただし受給額には上限があり、2017年7月現在1日1人あたり7,775円となっています。
休業・教育訓練の場合、その初日から1年の間に最大100日分、3年間の間に最大150日分受給できます。
出向の場合は、最長1年の出向期間中受給できます。
【申請方法】
申請窓口は全国の労働局・ハローワークで行っています。
これも厚生労働省のホームページで検索が可能です。
雇用の維持をすることは様々なメリットがあります。
■労使の協調的・信頼的関係が増し、景気回復後の経営・生産・販売研究開発などの効率性が高まる
■労働者の勤労意欲・士気の向上が図れる
■特に教育訓練を行う場合は、労働者の職業上の能力もプラスされ、生産調整に伴う円滑な配置転換や、景気回復後の事業展開にも役立つ
などがあります。
申請方法も難しいものではないので、当てはまる方はぜひご活用してみてください。