販売先が倒産して売掛金が焦げ付くことは困った事態です。そんな事態が起きてもリスクを最小限にする方法を中小零細企業の経営者様にお伝えします。
昨日、私のところに信用金庫時代からお世話になっているお客様から「大変なことになりました!」と電話が入りました。
業界の大手が倒産したため、おそらくそのお客様の地域の地場産業も連鎖倒産がかなり発生するであろうとのことです。
その業界は手形取引が主流で、また金融機関からの評価があまりよろしくない業界でもともと手形割引の制約が多い業界です。平成10年にマル環という資金が不況業種に対して適用されていたときもその業種だけはずっと適用外で適用されたのはその資金の取り扱い期間の最後の1ヶ月だけでした。
したがってその業界は手形割引がさらに制約されるだけでなく、取引先の減少、資金繰りの悪化は免れないようです。
幸いそのお客様はそことは取引がなかったので貸し倒れは免れたのですが、今後に備えてある商品を提案しました。
取引信用保険という損害保険商品です。
企業が保有する売掛債権を包括的に補償する商品です。もしも取引先が倒産となった場合に回収不能となった売掛債権を保険会社が保険金で一定割合支払うという商品です。
従来からあった商品でしたが、中堅企業(年商30億円目安)以上の会社向けにあっただけで連鎖倒産のリスクにさらされている中小零細企業向けにはありませんでした。
中小零細企業向けには会社設立後1年後に加入できる中小企業倒産防止共済という掛金残高の10倍まで無担保・無利息・無保証人にて最長5年返済で融資する商品があるのみでした。
約1年前に年商数億円の中小企業でも取引信用保険の引き受けができる保険会社がでてきたのです。
倒産防止共済は返済が必要なので毎月の負担が発生しますが、取引信用保険は保険金で返済もなく受け取ることができるので資金繰りの悪化等を最小限に防ぐことができます。
代表的な商品はこちら→三井住友海上の取引信用保険
保険料が割高に思われる方が多いですが年間の売上高に対する割合(保険料は年間売上高の0.3~0.5%目安)を考えれば、売掛金の与信管理に必要なリスクマネジメントだと思います。
次回はこの取引信用保険の商品概要や与信管理・対金融機関に有利となる理由やノウハウをお伝えしたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。