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健康経営とは
「健康経営」という言葉をご存知でしょうか。
従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
従業員の生活向上や生産性の向上等、組織の活性化、中長期的な業績・企業価値の向上を実現し、投資家からの理解と評価が得られることを期待して実施するものです。
経済産業省は「日本再興戦略」による取組の一環として、平成26年度から、東京証券取引所と共同で「健康経営銘柄」を選定し、投資家にとって魅力ある企業として紹介しています。2016年度は25社が選定されています。
資産としての社員
社員は会社にとって大切な存在なのに、財務諸表では資産にはならず、人件費などのコストとして表されます。
しかし、優秀な社員がたくさんいる会社は業績も良く、世の中の変化や経済環境にも対応でき、将来的な発展が期待できます。会社にとっては重要な資産です。
一方で、長時間労働やパワハラなどが原因で、社員に元気がなく、精神的に病んでしまっては業績が良いはずもなく、いずれは破たんしてしまうのではないかと懸念されます。
ビジネスは金儲けの世界でもありますが、社員が傷ついていく会社は、短期的に収益を稼ぐことがあっても長期的に稼ぐことは出来ないでしょう。
会社が長期的、永続的に発展していくためには、社員が元気で心身ともに健康でなければなりません。
ストレスチェック
「健康経営」は主に上場企業に対して使われる言葉ですが、中小企業にとっても「健康経営」はさらに重要です。
特に心の病は重大です。
心の病を未然に防ぐために、平成27年12月1日に労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」が実施されました。
厚生労働省が推奨する「職業性ストレス簡易調査票」で、57項目の質問に4段階で回答し、その結果、高ストレスと判定された場合は産業医などの面接指導を受けたり、残業時間を減らしたりする措置をとります。
この制度は従業員50人以上の事業所には義務づけられています。
従業員50人未満の中小企業の社員はどうすればいいのでしょうか?
努力義務になっていますが、現状は「わざわざコストをかけてまで実施することはない」と考えている事業主が多いのではないでしょうか。
そのような中小企業のために「ストレスチェック」実施促進のための助成金が用意されています。
助成金をうまく活用して、「健康経営」を目指しましょう。